提灯制作過程
一つの提灯ができるまでには10工程をあります。
提灯は、今も昔から変わらない製法で職人の手によって一つ一つ丁寧に作られています。
ここでは、その提灯の制作過程をご紹介させていただいたいと思います。
1.油引き
提灯の骨を巻いていく木型にろうそくの「ろう」をこすりつけます。「ろう」をつけることにより、骨組みに和紙を貼ったときに型から外れやすくなります。内側から方が抜けるように木型が工夫されています。
2.木型
木型を作るには2つの方法があります。
①螺旋状に骨を巻く方法
②骨を一本丸くしてつなげる方法
骨を巻いていく溝がずれないように、木型の底の枠に差し込む順番に記号と絵がかいてあります。
3.枠組み
丸い型に木型を差し込み提灯の形に組み立てます。
厚紙か曲げわっぱのような木型の「口輪(くちわ)」をはめ込み形を固定します。
提灯の形や大きさ、口輪は地方によって異なるそうです
。
4.ひご巻き
木型の溝に提灯の骨となる「ひご」を巻いていきます。サイズや形状に合わせて「竹ひご」を巻いていきます。サイズや計上に合わせて「たけひご」と「ワイヤー」を使い分けています。
5.糸掛け
提灯の骨に糸を巻き終えたのち、補強のために上から下まで糸を巻き付け固定します。提灯の大きさにより糸の太さも変わります。
6.紙張り
霧吹きで紙を湿らして、でんぷん糊を使って紙を張ります。でんぷん糊が綺麗に前面に貼れていないと提灯がきれいに仕上がらない大事な工程の一つです。また、和紙の特徴で、濡らした和紙が乾くとしわが伸びて提灯の表面がピンとはります。
7.絵付け
紙張りができた提灯を伸ばしてから絵柄や文字を描きます。職人が一つ一つていねいに描きます。丸い提灯の中に縦に竹を入れて提灯を伸ばして絵哉文字を入れます。
8.型抜き
糊が乾いたら、提灯の内側で木型をばらして抜き出します。
9.筋付け
型抜きをした提灯の骨の隙間ひとつずつに折り目をつけていきます。
折りたたむことのできる提灯が出来上がります。
10.道具付け
提灯の上下に黒塗りの化粧木枠「皮」を飾りで固定します。ろうそく立てをつける重要な部品になります。「加輪」がいつの間にか「皮」と呼ばれるようになりました。関東では「重化(じゅうけ)」と呼ばれています。
神社や昔ながらのお祭りでは、その地域によって化粧木枠が違う提灯を使用していることもあります。